蜂の子を摂ろう!

宮崎県で食べられるはち汁とは?

蜂の子と言えば、信州や東海地方の産物と思っている方が多いでしょう。実際、これらの地域の山間部では蜂の子が豊富に獲れます。しかし、蜂の子は案外日本の至る所で獲れています。

今回ご紹介するのは、宮崎県の奥日向地方の蜂の子です。この地域には諸塚村と椎葉村があります。山林が大半を占めていて自然に恵まれています。林業や椎茸の栽培が盛んで、秋には蜂の子獲りが、冬には猪猟が伝統行事となっています。蜂の子は、お盆を過ぎたあたりから晩秋くらいまで捕獲出来ます。

こちらの地域では蜂の中でも最も凶暴と言われる、大変危険なオオスズメバチを捕獲します。村に住む男達は、面目やプライドをかけて、危険を承知で果敢に捕獲しようとします。半分は遊びだそうですが、男らしいところを見せたいという気持ちも強いそうです。

獲れた蜂の子は、この地域ならではのとっておきの逸品に生まれ変わります。それは、はち汁というものです。はち汁とは、温めたそうめんに蜂の子をトッピングする汁物の料理です。蜂の子は最初に油で炒めてからお湯を加えて、出汁を取ります。その中にそうめんを入れて葉物野菜なども加えます。蜂の子の出汁が良く出たスープは、バターを加えたかのようなコクのある深い味わいで、濃厚さが特徴です。しかし、それでいて後味はさっぱりしており、あっという間に食べられます。この地域は観光地にもなっているため、旅館や民宿に泊まれば、この最上級のはち汁が味わえるかもしれません。ただ、数に限りがあるそうなので、事前に確認すると安心です。